「米軍コブラボールより入電。敵はカウントダウンを開始。まもなく発射の模様!」
通信担当が声を張り上げた。
「了解。全サイロの安全装置解除。発射待機!」
「データリンク・システム正常!」
「迎撃ミサイル、全機異常なし!」
応答の声が次々に上がる。
静かな指令室内に緊張が漂い始めた。
日本時間の7月5日、0330時。
漆黒の闇に包まれた日本海海上に展開する、数隻の潜水艦。
艦体には通常では見られない、5桁の識別コードがグレーで刻印されている。
海上自衛隊所属の特殊部隊、通称「隠密部隊」の潜水艦部隊なのだ。
日本の有事につながりかねない周辺事態を国際世論の影で処理するため、隠し道具の一つとして秘密裏に創設された。
北朝鮮の弾道ミサイルはその命中精度が非常に低いため、この発射実験では最悪の場合、日本本土に着弾する恐れがある。しかし政府としては危険の排除だからといって撃墜ができない。
今回の行動は万が一を想定して、日本本土への着弾を防ぐための極秘任務である。
0332時。
「発射を確認。一基が上昇中。監視衛星からのデータに切り替えます」
北朝鮮は遂にミサイルを発射した。
「絶対に撃ち漏らすな。念には念だ、迎撃ミサイルは3機を使用!」
ルンバ一等海佐の指示が飛んだ。
「了解。1番、4番、6番艦発射用意。ハッチ開け!」
各艦の背中にある、ミサイルサイロのハッチが開かれる。
「追尾レーダー、正常作動。発射準備完了!」
「敵ミサイルは、ブーストフェーズからミッドコースフェーズへ移行!」
北朝鮮のミサイルは、領空外の公海上空へと移動した。
その時を待っていた、ルンバ一等海佐が号令を下す。
「よし、撃ち墜とせ!」
「了解!1番、4番、6番、発射!」
三隻の潜水艦の背中に火柱が立った。
中から迎撃ミサイルが飛び出した。周囲を真昼の太陽よりも明るく照らし出し、おびただしい炎と噴煙を撒き散らす。
そして鮮やかなオレンジ色の三つの光芒が、夜空へ向かって矢のような勢いで上昇していった。
指令室内のモニターに、双方のミサイル飛行コースがプロットされていく。
「誘導システム正常。飛行コースに異常なし。命中まであと10秒」
モニターの中で、双方の飛行コースを表す線がゆっくりと向かい合わせに近づいてゆく。
敵側の一本線、こちら側の三本線が交わった瞬間が、命中の時である。
監視員がカウントを読み上げる。
「3・・・2・・・1・・・弾着!」
「命中を確認。撃墜です!」
「よっしゃあー!!」
ルンバ一等海佐が立ち上がって叫んだ。続いて拍手が起こる。
実は、実戦で弾道ミサイルの撃墜に成功した例はまだ一度もなかったのだ。
「迎撃ミサイルは2機が命中、一機は飛行中です。直ちに自爆させます。」
スイッチが押され、目標を失った迎撃ミサイルは処分された。
「現在のところ、他に発射の兆候は無し。引き続き警戒を続行します」
敵の第一撃をクリアし、まずは緊張から開放されたルンバ一等海佐は、冷蔵庫から良く冷えた缶コーヒーを取り出すと一気に飲み干した。
「北の親不孝野郎ども、何度でも来やがれ。叩き潰してやるぜ。」
その後のニュースでは、いずれも「日本海に落下」「失敗」との報道がなされた。
発射された7発はすべて撃墜され、その事実はもちろん隠蔽されている。
こうして、北朝鮮によるミサイルの脅威は取り除かれたのであった。
いや〜、妄想グセがあるので、ちょっと文章に起こしてみました。
国際的な事件の裏で何があったか、というゴルゴ13のマネでもあります。
即席で仕上げたので、書き終わって、肩で息してます・・・(^^;
あっ、もちろんフャクション!じゃなくてフィクションですんで、実在のものとはいっさい関係がありませんので。
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